おこめさんちのミミヨリな話

両耳小耳症&重度難聴の息子と、日々の徒然

期待をしてはいけない

わたし達夫婦の希望は、両耳装用すること、できれば同時に手術することでした。

左右ともに人工内耳を入れられそうな流れでこれまで来たので、まず考えていたのは小耳の顕著な右耳は、耳掛け型でなく一体型はどうだろうということです。一体型が発売されたニュースを見たとき、小耳症の難聴者には朗報だととても印象に残っていました。

ところが、一体型は耳掛け型に比べると強い磁力でつけるため、皮膚の薄い子どもでは炎症などが起きやすくなるのでお勧めしないとのことでした。耳掛け型をお洋服などにつけて装用することになるのかと、少し残念な気持ちでいました。

 

…が、それも贅沢な悩みだったということになりそうです。

検査を進めるうちに、両耳同時手術や右耳装用ですら難しそうなことが分かってきました。

小耳が顕著な右耳は、インプラントを入れる蝸牛のすぐ側を顔面神経が走行している可能性があるようです。

こうなると、人工内耳による聴こえをとるか、顔面神経を守るかの二択になってしまいます。が、二択のようでこれは一択。まぶたや口を動かす顔面神経を傷つけることは生活の質を著しく落としてしまいます。この場合は右側の聴こえを諦めることになるでしょう。

 

術前のCT検査で再度確認してもらい、顔面神経の走行がはっきりしなければ右耳は延期、走行異常がはっきりすれば中止という可能性も。

 

また、両耳ともに聴神経が通る管に狭窄や奇形があることも新たに分かりました。聴神経自体にも異常があるかどうかは今の時点では判断ができないそうです。が、怪しいですよね。

脳波に反応はあるので、人工内耳を入れることで少なくとも今よりは聴こえは改善されるとのことですが…

 

人工内耳メーカーがPRのために公開している装用者の映像。あんな風に、声や音楽が聴けて、きれいな発音で話せて、歌えて、なんて期待しちゃってました。

コメタには難しいのかもしれない。

いくらリハビリを頑張っても、機能的に。

 

現状のほとんど音に反応がないことを思えば、片耳でも、少しでも、聴こえるようになればそれはすごい進歩です。

贅沢を言ってはいけませんが、やはり期待しちゃってたものが叶わなくなるのはショックですね。

今はまだ、残された可能性にわずかな望みをつないでいます。