新生児救急車
出産直後のコメタの身体をいろいろと測定してもらう中で、血中の酸素濃度が低いという異常がありました。
それほど珍しいことではないそうで、
「しばらく酸素送りながらナースセンターで預かるね、お昼頃にはお部屋に連れて来られると思います」
そのようなニュアンスで看護師さんからお話がありました。
そうか、ではその間に身体を休めさせてもらおう。同室になったら忙しくなるもんね。
ところが。
いくら酸素を送っても血中濃度は安定せず、呼吸も早いリズムで胸がぺこぺことしていて苦しそう。
新生児救急車を要請して、総合病院のNICUで詳しく見てもらおうと思うのですが…とのこと。
もちろん、お願いしました。
新生児救急車が産院に到着し、コメタを搬送する準備が着々と進められる中、産後ナースセンターに預けっぱなしだったコメタを、少しだっこさせてもらうようお願いをしました。
小さい、小さいコメタ。久しぶりの新生児だっこをぎこちなくしながら、元気に産んであげられなかったこと、一緒に着いて行ってあげられないことが申し訳なく、また呼吸が苦しそうな姿を見てますます胸が痛み涙が出ました。
ごめんね、がんばろうね。
それを伝えるだけで精一杯。
駆けつけてくださった救急の先生は、
「写真を撮りましょうか」
と声を掛けてくださり、場を和ませてくれました。
処置もとても手際が良く、この人達になら安心してまかせられると感じました。
コメタはコットのようなものに入れられて救急車に乗り、産院を後にしました。
あれから1年が経とうとしている今も、新生児救急車が走っているのを見ると胸がきゅーっと締め付けられます。
生まれたての小さな赤ちゃんが頑張っているのだな、お母さんも心配だろうなとあの頃の私たちを重ねてしまうのです。